まさか今年の大晦日もコロナ禍がいまだに世界を覆い、
人類がコロナウイルスをコントロールできるまで至っていないとは想像しなかった。
コロナ禍と無縁で過ごせた人は今年もいない。
私自身のこの一年間の精神的ダメージは自覚しているより実は大きかった。
一方、劇団「すずしろ」としての活動はコロナ禍にも関わらず去年同様、
細心のコロナ対策をしつつも最大限に活動できている。
ひとつは8月19日箕面市に誕生した新ホール箕面市文化芸能劇場のオープニングイベントで、
2年振りに観客をいれての公演ができたこと。
しかも英語チームは「煙が目にしみる」を全編英語のセリフに挑戦し、
予想以上のクオリティーの結果を残せたことである。
英語チームの努力は凄まじく素晴らしかった。
年齢が言い訳にならないことをまた一つ証明できたとおもう。
あとひとつは滋賀県東近江市からの招聘公演に大型バスで
一泊の出張公演を無事にやり遂げたことだ。
アウエーの観客に満足してもらえるかの心配はあったけど、
久しぶりにバスにみんなで乗り込んで出かけるだけで幸せを感じた。
主催者側の満足の笑顔に心から安堵した。
劇団「すずしろ」は18年目の活動に入っており、
退団するひと、入団するひと、を繰り返し、順調な活動を続けてこられた。
18年間のすずしろ活動は奇跡に思える。
これは、私が劇団を立ち上げたときには想像すらしなかった長い年月であり、
ずっと一番前を走り続けてきた私は、ある日、自分が「すずしろ」を楽しめていないことに気づいた。
創立メンバーでいるのは私だけとなり、
繰り返される入退団する団員達を取りまとめていく責任感の方が重く私の気持ちの中に居座るようになった。
ライフワークとしてすずしろ活動だけを全精力を傾けてきた私には、
バランスを崩した時に掴まえて支えるものがなかったのだ。
充実したすずしろ活動と私の心の乖離はどう対処すれば良いのか、まだ処方箋は見つかっていない。
愚痴言えど 空まったきの 大晦日
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