そして、さらに1年後、いよいよメイプル小ホールでの本公演をすることとなった。
試演会が予想以上に好評であったのに勇気づけられ、本公演の準備に入った。
シナリオ研究会を作って脚本の作り方も分からず、それでもやる気の3人がオリジナルを書いてきた。
「あさきゆめみし」「天使の翼」「同窓会」
何もわからずよく書いたと思う。でも何かが足りない?! 本公演の作品としては未熟だった。
「煙が目にしみる」が好評だったのと「すずしろ」の持ち味と堤さんのテイストは合っていた。
同じ堤さんの「見果てぬ夢」も面白い脚本だけど、ひとつ難点があった。
男性の登場人物が多いことだ。とても足りない(-_-;)
強引に脚本の「父と息子」を「母親と娘」の設定に、若い恋人同士を「女性ふたりのシニア世代に」
設定が変わると当然ストーリーもセリフも変わる。言葉も大阪弁に直した。
全員賛成でこれで行こうということなってからの行動は早かった!
まだ操先生が東京から月1回の指導にきていた時期だったので、
チラシも(入場料無料?!やった!!)

プログラムも

舞台セットもコーナンに材料を買いに行って、大道具、小道具、ナースの衣装もみんなで作った。


操先生がすずしろの本番とご自分の東京の本番が重なって、ラストサムライでも一緒だった先輩俳優の三松さんが
東京から指導にくてくれた。

三松さんは自由劇場に長く在籍していたので、操先生とは違う役者に大事なことを沢山教えてくれた。
ジョニー・デップばりの男前でその響く深い声と身にまとう型破りのかっこよさ!!(みまつさ〜〜ん?!)

私は2年目にして、やっと役者としてすずしろデビューであったが、劇中劇があったり、熱血の看護婦長のこの役を演じるのが
照れて恥ずかしくてなかなかしっくりと出来なかった記憶がある。
本番ちゅうの劇中劇の場面で一番前の一番下手に座っているお客さんが目に入った。
イスから転げ落ちそうになりながら笑っている姿をみて「え〜?面白いんや?!」と少し安心した。
友人も「落ち込んだ時はあの時の秋田さんを思い出して笑っている」とメールくれた。
あの時に私はすべての羞恥心をなくしたのかもしれない?!(笑)

みんなの熱演が忘れられない♬

まだまだ経験も演技力も未熟だったけど、充実した舞台だった。



エンディングでマーガレットの花がゆっくりと舞いながら落ちていく、操先生の難しい注文に、
めちゃめちゃ試行錯誤して材料も色々試して文句ないマーガレットを作り上げた!(バンザイ)


演劇において、ひとつの作品を作り上げるすべての行程を経験している喜びをみんなが味わった!!
私はこの時、まだ62歳。