本番は12日も13日も満席、特に13日の公演は通路にも補助席にもお客様で埋まりました。
レセプションでは「waiting番号が23番だったから入場できるかどうか心配だった」という
お客様のお話を聞いてびっくりしました。
感激してずっと泣きながら感想を伝えてくれた女性。
彼女は自分の可能性を求めてNYまでやってきたガンバリ屋さん。
そして9年がすぎても求めたものとは出会えていない。
そんなときに観たすずしろの芝居に彼女は衝撃を受けたという。
「私のやりたかったことって、日本でできたのじゃないか?!」
そして「日本への帰国を考える気持ちになったと」
彼女の泣きながらの話を私たちも泣きながら聞いた。
彼女の人生を考えるきっかけにすずしろ公演が役立ったなら
こんなに嬉しいことはないではないか!
同じように自分の人生を考えさせられた「私はこれでいいの?!なにかごまかしていないか?!」
プロの凄い作品を観慣れている人たちからこんなに感動したのは初めて、
感動の種類が全然ちがうというありがたいもったないような感想まで。
こんな感想をニューヨークにきて聞けるとは思いもしなかった!
ただ自分たちの夢をかなえることでいっぱいだった私たち。
逆にいろ〜んなことに気づかされた。
良かった〜! 良かった!! ほんとにしんどかったけどはるばるやってきた甲斐があった!!!
私たちの苦労が報われた瞬間だった!
日本でもメディアの注目を集めたが、それはニューヨークに来ても同じだった。
今回のすずしろ海外初公演の注目のキーワードは「シニアであること」
60歳から84歳までのアマチュアのシニア劇団の海外公演挑戦は自分たちにとっても大きな挑戦であり冒険だったけど、
それを受け止めるほうも同じようにエキサイティングなことのようだ。
そして熱演するすずしろの面々をご紹介させてください。
(撮影:KOBAYASHI Shiho)
セリフを飛ばしたり、間違えたりはいっぱいあったけど、
舞台上には熱気のある空気が流れていて、登場すればそれに乗るだけで良かった。
土曜日の観客はさすがニューヨーカーと思うほど最初から笑いが止まらず楽しんでいる空気がびんびんと伝わった。
そして日曜日のお客様はまた違って真剣に舞台に集中している空気が伝わり、こちらも気持が引きしまった。
どちらも夢中ではじまり夢中で終わった。
袖中でも全員が舞台の進行に耳を傾け一緒に舞台にたっている気持ちでいた。
一体感とはこういうことをいうのだという実感があった。
なんてしあわせな時間だ!
奇蹟のような稀有な体験をしているのを本番中のもうひとりの自分が感じていた。
つづく